―ジビエートプロジェクト語録―  Vol.3 芹沢直樹(前編) 『時代劇の漫画を描きたいと思っていたら『ジビエート』に出会えた』
2019.08.14 公開

―ジビエートプロジェクト語録―

時代劇の漫画を描きたいと思っていたら『ジビエート』に出会えた』(前編

Vol.3 芹沢直樹

 

世界で成功を収めた日本のクリエイター達が、改めて日本の“和”を見つめ、世界へ発信する事をコンセプトに集まったのが、ジビエートプロジェクトである。どんな思いで関わっているのか、どうしたら海外で成功するかを取材からひも解くシリーズ企画。第三弾は、アニメ 『ジビエート』  でモンスターキャラクターデザインを担当する芹沢直樹氏。漫画家を目指した彼と『ジビエート』との接点をひも解く。

―最近の活動を教えてください―

 

(芹沢)「最近は少年画報社でやっている、今年発売したばかりの雑誌「ヤングキングブル」で過去の作品である猿ロックの続きを書いているのと、某出版社さんで新しい企画をやっている段階ですね。そう忙しくはないですが、アニメ『ジビエート』にこれから関わるとなると来年は忙しくなりそうですね」

 

 アニメ『ジビエート』の話をもらったのはいつ頃でしょうか

 

(芹沢)「1年半以上前でしょうか。エグゼクティブプロデューサーの青木さんが「次の作品は天野先生と仕事をする事になりそうなんだけど、一緒にやろうよ」と声をかけてくれて。相談もらった時、前の作品がちょうど終わるころで。」

(芹沢)「実は、もともと天野先生の大ファンだったんです。学生のころ、天野先生の個展にも足を運んでいました。小さい個展にも行きましたし、上野の森美術館でやっていた大きな個展(天野喜孝展 マニエラ maniera-)にも行きました」

 

 ―天野先生の大ファンだったんですね

 

(芹沢)「はい。そうなんです。初めて個展を見たのは17、18歳ぐらいだったと思います。私が絵を描き始めたのもそのころ。漫画を描きはじめて投稿していた時期です。初めて受賞した時が19歳の時でした。天野先生の絵って独特なタッチじゃないですか。ファンタジーで人にはない世界観がある。アーティスト・天野喜孝が好きだったんです。そしてとうとう『ジビエート』で天野先生とお仕事する事になりました」

 

海外についてお聞かせください。『ジビエート』とは、世界で活躍するクリエイターがグローバルを意識して日本の和をアニメとして情報発信をしていく、そんな発表を先日しました。その点に関していかがですか

 

(芹沢)「実は、時代劇や歴史ものが大好きで、大河ドラマも毎回見るほど。和とか、時代劇の世界観って好きなんです。ジビエートも戦国時代の侍と忍者の話ですし、すごく面白いと思ったんです。実は、次の新しい作品も時代劇を企画していて」

 

芹沢先生が時代劇をやるって聞いたことなかったですね

 

(芹沢)「はい。実は初めてなんです。40歳までは色んな仕事をしてきましたが、40歳過ぎたら好きな物描きたいなって思っていました。戦国時代だったり、時代劇だったりしたので、の作品に関わるのは、何か運命のようなものを感じますね」

 

過去にさかのぼりますが、少年時代と漫画家を目指すきっかけは何ですか


(芹沢)「小さいころから漫画を描くのが好きで、新聞のチラシの裏にいつも描いてました。キン肉マンの絵とかをマネしながら()、ただただ好きで描いてましたね。

高校生になったとき、友人がコミケに同人誌を出すとなってなんか描かない?って誘われて。高校の進路を決める時、もっと漫画が上手くなりたいと思い、美術の学校に進学しました。」

 

天野先生の場合も、友達に誘われてタツノコプロの事務所に遊びにいったことがキッカケだったとおっしゃってました()、始まりは意外に友人だったり、親族だったりするんですね

 

(芹沢)「そうかもしれません()

 

『ジビエート』で関わるモンスターキャラクターデザインについてですが、特徴があれば教えてください

 

(芹沢)「プロデューサーの青木さんと打ち合わせをしたときモンスターの目を大きくしようとなったんです。カエルの目のように大きく。色彩は、私が描いたコミカライズの『バイオハザード』のようなイメージを.当初持っていたんですがそうではなく、もっとカラフルに鮮やかなイメージで。鮮やかだけれど気味悪い。そんな特徴が『ジビエート』のモンスターにはあります」

 

ありがとうございます。令和元年になりました。新しい時代に向けてやってみたいことがあれば教えてください

 

(芹沢)「日本の伝統的なものを商品化する仕事がしてみたいですね。自分だけではできないですし、いろんな人達と関わってコラボできると良いですね。ジビエートプロジェクトがまさにそうですし、これからが楽しみですね」

 

つづく―